上手いなと思った。
彼よりももっと上手い選手はいっぱいいたのに。
上手いと、彼が蹴り出したパスの軌道を追いかけながら思った。
ただパスが正確ってだけじゃない。
あの先に走り込みたいと思うような。
流れるイメージのパス。
パスを出して受け手に届くまでのタイムラグの計算の仕方とか、コースとか。
見てて、ドキドキした。
確か名前は高山浩二。
どんな奴なんだろ。
休憩時間。
給水する大きな背に向けて歩き出す。
どこの高校?
それともユース?
憧れのサッカー選手っている?
サッカーの話をしようよ。
そんで一緒に、サッカーしようよ。
俺はお前とサッカーしてみたいって思ったよ。
江口英介なんて名前も、出身高の名前も聞いたことがなかった。
目の前で猛スピードで駆け抜けられて、初めて知ったその存在。
普通に走っても速いが、ボールを持って走るスピードが半端じゃない。
フェイントのスピードも、彼の動きの全てが速い。
もっと速く遠いパスを出せと要求する。
自信満々の言動は嫌味でもなく、自分の可能性を存分に発揮しようとする向上心が感じられた。
なんだか、好ましい印象。
さっそくチームに溶け込んで、ボケ役になっている。
周囲に笑いの種を巻きながら、チームはじわじわ力をつける。
巻き込まれる。
まるで竜巻だ。
どうやったらそんな風に笑える?
人付き合いが苦手な俺に教えて欲しい。
どうやったらそんな強いメンタルを得ることができたの?
プレッシャーに弱い俺に教えて欲しい。
俺はお前と友達になってみたいって、そう思ったよ。
2004/12/2
「モノカキさんに30のお題 01:はじめまして」でも第一印象ネタを書いたので、搾り出すのにちょっと苦心。
「彼の事をきかせて10題」はこんな感じで、タカと英介が相手の事について一人称で語ります。