○月△日晴れ
今日はホームで試合だった。
一点入れたら勝った。
よしよし。
帰寮してから、ユッコちゃんにメールしてみたが返事がない。
アイコちゃんにメールしてみたが返事がない。
ミユキママにメールしてみたが返事がない。
一点入れたのに返事がない。
別の店に通っていたのが悪いのかもしれない。
来週はミユキママのお店に通うことにする。
つまんねぇと思っていたら隣の部屋で物音がした。
コップを壁に押し付けて耳を底に当ててみた。
隣はラブラブらしい。
俺は淋しい。
悔しいので遊びに行くことにした。
隣の部屋のドアをノックするが無視された。
最近、タカの態度に初々しさがなくなってきた。
ここいらで体育会系上下関係の厳しさを思い出してもらわなければと思って、ノックを続けてみた。
英介と乳繰り合ってるのはわかってるんだ、大人しく降参しなさいとか言ってみた。
通りがかりの神尾が、タカ弄るの好きっスねーと笑った瞬間、ドアが開いた。
オモチャが出て来た、と思っていたら。
顔を出したタカはいつもの困り顔じゃなかったので、失敗したと思った。
慌てて身だしなみを整えたいつもの姿ではなく、上半身裸でジーパンのホックも外した状態で出て来た。
ドアの向こうを覗かせないように、デカイ体で入口を覆った。
「なんスか」
と聞いたこともないような不機嫌な声で言うので、言い返すどころか顔が引き攣った。
「なんか、用っスか」
二回ゆった。
二回ゆったよ。
短い髪の毛をいかにも鬱陶しそうに掻いたタカが、溜息交じりに言った。
「……混ざります?」
今世紀最大の衝撃発言を聞いた気がした。
幻聴だと思い込もうとしていたら、第二波がきた。
「俺の咥えてみます?」
舌なめずりされた。
通りすがりの神尾の顎も外れかけているが、俺は意識が外れてしまいそうだった。
「それが嫌なら、いい子にしてなさい」
頭をポンポンと叩かれ、ガクガク頷く。
パッタンとドアが閉ざされて、俺は神尾を振り返った。
神尾も縋るように俺を見ていた。
「「ひぃい―――――――――――――――…………………………!!!!!!」」
廊下でひしと抱き合う俺達を見て、真吾がとうとう趣旨変えかと呑気に笑って通り過ぎようとしていた。
「富永さん、悪魔がいるよ! この寮にはとんでもない悪魔がいるんスよ!!」
「みんな食われちゃうよ!! 今のうちに逃げようよぉお!!」
「あれは高山じゃないっす。タカはあんな子じゃないっす!!」
「怖いよぉっ。あぁっ、真吾、置いてかないで〜!! 俺、もう一人で眠れません!」
「はぁっ? 知るか、あほ。頭でも打ったんじゃねぇの」
「英介がっ、富永さん、英介が食べられちゃうっス!!」
「もうとっくの昔に食われてるだろ。今更だ。野暮してんじゃねぇよ」
「ちがう〜!! ドアの向こうにいるのはタカであってタカじゃないんだよー!」
俺達の絶叫がドアの向こうには届いているだろうか。
ハートマーク発する寮の一室。
悪魔は獲物を腹いっぱいになるまで食らって、翌日、恐怖に震える俺と神尾ににこやかな挨拶をよこした。
あれ以来、俺と神尾は十字架のネックレスをかけてにんにくを食いまくっている。
2005/4/10
お題のブロックがいまいちわかりにくいですね。すみません。こんな日記っぽいのも面白いかなという試みでした。あとワイルドダークな高山サンも斬新かしらと思いまして。