目じりに舌を触れさせると、塩辛い味がした。
「……、へいき、か?」
組み敷いた英介に問いかけるが、返事はない。
固く目を閉じ、与えられた衝撃と異物を受け入れようと必死になっている。
意識的に息を吐き出そうと喉を震わせる。
拒絶反応そのままに俺を追い出そうと英介の肉体は強張る。
締め付けも度を越せばさすがに苦痛で、抱いた体が早く蕩けるようにと愛撫の手を伸ばす。
反応はするのに、目を開けない。
「英介」
早く痛みも辛さも消えてくれと願いながら震える口唇を指の腹で撫でると、ようやく濡れて重みを増したような睫毛を持ち上げた。
触れた指先に熱い吐息がかかる。
潤んだ上目遣いは英介の体が与えてくれる肉感的な快感に匹敵する。
慎重に吐き出した息が触れたのか、英介がぴくりと体を揺らした。
英介がおそるおそる手を伸ばしてきて、俺がしているように口に触れる。
「ん?」
「動い、て」
頬や目元を撫でる指の動きはどこか幼く、なのに発する言葉がコレで。
自分でも嫌になるほど甘ったるい溜め息に、英介が困った顔をする。
「もうちょっと慣れてからな」
「……慣れた」
この状態でよくそんな嘘が言えるものだと可笑しくなる。
鼻を齧ると一瞬だけ眉間に皺を寄せ、次には恥ずかしそうに目を逸らす。
「ゆっくりでいいよ」
横を向いたまま頷いた英介に懐くように顔を寄せると、応じてキスをしてくれた。
可愛い。
「もうちょっとしたら、動いてなんて催促する前に自分で動くようになる」
がりっと嫌な音が口の中でする。
きつく舌を噛まれた。
「タカは、ほんっと、時々、すげぇどうしようもなくエロい。下品に」
さっきまで可愛かったのに、ふんっと鼻息荒く俺をけなす顔は可愛くない。
音がするほど強く噛まれた舌が痛くて、痛いと主張するために口から出したら、英介がかちっと自分の歯を鳴らして威嚇してきた。
「それ、可愛い」
「お前のツボ、わっかんねー」
その言い方も可愛くて、口が緩む。
額を合わせると至近距離で英介も笑ってくれて、体の強張りが解ける。
笑いを与え合うように口付けて、君にさりげない仕草にノックアウトされ、甘い体に溺れる。
なんか……ワンパターンになってきたような。(反省)